英語の洋書と絵本 ANNIE'S BOOKSHELF

 CHILDREN'S BOOKS 3

   21-30

Swimmy

Alexander and the Wind-up Mouse

Ox-Cart Man

Curious George

The Little House

CHOO CHOO

Katy and the Big Snow

Officer Buckle and Gloria

A Chair for my Mother

Song and Dance Man

Swimmy(スイミー)

Leo Lionni

★★☆  絵本難易度

(^^)/  お薦め

1964年コールデコット・オナー賞受賞 


小さな赤い魚の群れの中に、一匹だけ黒い魚がいました。名前はスイミー。ある日、大きなマグロがやってきて、兄弟たちは一飲みにされてしまいます。逃げられたのはスイミーだけ。一匹になってしまったけれど、スイミーは海のいろいろな生き物と出会います。そして、岩陰で再び小さな赤い魚を見つけました。スイミーは呼びかけます。みんなで大きな魚になって泳ごうよ。ぼくは目になるよ。

 

A happy school of little fish lived in a corner of the sea somewhere.

They were all red. Only one of them was as black as a mussel shell.

He swam faster than his brothers and sisters. His name was Swimmy.

 

1963年に出版されたレオ・レオ二の絵本。小学校2年の国語の教科書に日本語版が掲載されています。ストーリーは秀逸で、イラストレーターの著者による絶妙な色合いの海が美しい。小さなスイミーを通して、勇気を持つこと、みんなで協力することの大切さを学べます。

Alexander and the Wind-up Mouse

(アレクサンダとぜんまいねずみ)

Leo Lionni       

★★☆  絵本難易度

(^^)/  お薦め

1970年コールデコット・オナー賞受賞


人間たちに追い回される毎日の、ねずみのアレクサンダ。ある日、アニーの部屋で自分そっくりのねずみ、ウィリーと出会います。彼には背中にぜんまいがついていました。アレクサンダは、アニーに大事にされているウィリーのことがうらやましくてたまらりません。ウィリーのようになりたいアレクサンダは、姿を変えてくれる魔法のトカゲに頼みます。すると、紫の小石を持ってくるようにと言われます。でも、やっと小石が見つかったときには、ウィリーは捨てられるおもちゃの箱の中に。そして、とかげにウィリーを自分のように変えてもらうよう頼むのでした。

 

One day, when there was no one in the house, Alexander heard a squeak in Annie's room. He sneaked in and what did he see? Another mouse.

But not an ordinary mouse like himself. Instead of legs it had two little wheels, and on its back there was a key.

"Who are you?" asked Alexander.

 

レオ・レオニは、1910年生まれのイラストレーター。彼の絵本はどれも心温まるストーリーで、この愛嬌のあるねずみのウィリーは特にお気に入り。友情の大切さや本当に大事なものは何かを私たちに教えてくれます。味わい深い色使いのイラストも素敵で、親も子も楽しめるお勧めの1冊。

Ox-Cart Man (にぐるまひいて)

Donald Hall

★★☆  絵本難易度

1980年コールデコット賞受賞 


10月になると、一家は1年の間に作ったものを荷車に詰めます。ウール、ショール、ミトン、たくさんの野菜・・・。お父さんはいっぱいになった荷車を牛に引かせ、10日間かけて街まで歩きます。そして市場で全部売ったら、家族の買い物をして、同じ道を戻ります。そして、冬を迎え、春、夏がまためぐってきます。

 

In October he backed his ox into his cart

and he and his family filled it up

with everything they made or grew all year long

that was left over.

 

舞台は19世紀初めのニューハンプシャー州。(文中に登場するポーツマスの市場は、イギリスではなくアメリカでした。) 農家の生活をシンプルに描いているだけなのに、温かい読後感。それは、自然と共に家族が協力し合って生きている姿が浮かび上がってくるから。美しいイラストからも当時の街の様子や暮らしぶりが伝わってきて、昔の映画を見ているような感覚になります。

Curious George (ひとまねこざる) 

H. A. Rey

★★☆  絵本難易度

(^^)/  お薦め 

しりたがりやのおさるのジョージシリーズ。


アフリカにおさるのジョージが住んでいました。ある日、黄色い帽子のおじさんがやってきて、ジョージを船に乗せて連れて帰ります。おじさんの家でジョージは早速いたずら。電話のダイヤルを回したら、消防車が来てしまいます。牢屋から逃げ出したと思ったら、今度は風船をつかんで空へ。黄色い帽子のおじさんがやっと捕まえて、楽しい動物園に送られました。

 

This is George. He lived in Africa.

He was a good little monkey and always very curious.

One day George saw a man. He had on a large yellow straw hat.

 

1941年の初版以後読み継がれている人気シリーズ。知りたがり屋のショージが引き起こす騒動がおかしくて、子供たちに大人気です。易しい英語で綴られているので、読み聞かせ用にもぴったり。

The Little House (ちいさいおうち)

Virginia Lee Burton

★★☆  絵本難易度

(^^)/  お気に入り

1943年コールデコット賞受賞


田舎のかわいい ”ちいさいおうち” は、春、夏、秋、冬と、季節の移ろいを感じながら、昼に夜に幸せな時を過ごしています。ある日、車やトラックがやってくるようになり、道ができ家が建ち、”ちいさいおうち” の回りは少しずつ変わっていきます。やがて、ビルが建ち電車が通り、街の中に埋もれてしまった ”ちいさいおうち” は、再び田舎の地へ引っ越していったのでした。

 

Once upon a time there was a Little House way out in the country.

She was a pretty Little House and she was strong and well built.

The man who built her so well said,

"This Little House shall never be sold for gold or silver and she will live to see

our great-great-grandchildren's great-great-grandchildren living in her"

 

自分が子供のころ読んだ絵本を親になって子供に読み聞かせるのって、本当に素敵なこと。この原書版を見つけたときは、うれしくて迷わず買ってしまったのです。部屋に飾ってみたくなる美しいイラストも魅力です。

CHOO CHOO

(いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう)

Virginia Lee Burton

★★☆  絵本難易度

(^^)/  お薦め


たくさんの人や荷物を載せて、小さな町と大きな街を往復している機関車CHOO CHOO。ある日、自分だけならもっと早いよ と客車を置いて走り出してしまいます。すごいスピードではね橋を超え、大きな街を抜け、そしてついに森の中で動けなくなってしまいました。さあ、驚いたエンジニアのジムたちは、高速列車に乗ってCHOO CHOOを探しに行きます。連れ戻されたCHOO CHOO は、もう二度と逃げ出したくないと思うのです。

 

Once upon a time there was a little engine.

Her name was CHOO CHOO.

She was a beautiful little engine.

All black and shiny.

 

作者はアメリカのバージニア・リー・バートン。(1909~1968) 彼女の有名な "The Little House" の美しいカラーのイラストとは一転、これはシンプルな白黒絵本です。いつも頑張っているけど、ちょっとかっこつけたくなって暴走してしまったCHOO CHOO。電車の好きな子供たちは、絶対好きになるはず。

Katy and the Big Snow

(はたらきもののじょせつしゃケイティ)

Virginia Lee Burotn

★★☆  絵本難易度 

赤いcrawler tractorのKatyが雪の日に大活躍。


Officer Buckle and Gloria

(バックルさんとめいけんグロリア)

Peggy Rathmann

★★☆  絵本難易度 

1996年コールデコット賞受賞


警察官のバックルさんは、安全メモの貼り付けで大忙し。でも、学校の講演会では誰も話を聞いてくれません。ところがある日、警察犬のグロリアを連れて行ったらみんなに大うけ。講演の依頼が殺到し、テレビ撮影隊までやってきました。でも、みんなが見ていたのはグロリアだけだとわかり、バックルさんは怒ってしまいます。一人で講演会に行かされたグロリアはしょんぽり。仲間といつも一緒に:これがバックルさんの新しい安全メモになりました。

 

Safety Tip Number One: Keep your Shoelaces tied

Safety Tip Number Two: Always wipe up spills Before someone Slips and falls! 

・・・

Safety Tip #101 ALWAYS STICK WITH YOUR BUDDY!

 

大人の話は子供にとってたいていつまらないもの。バックルさんの有難い講演会も、生徒たちは無関心。退屈なお話ばかりのさえないバックルさんとかわいいグロリアのコンビが楽しい。

A Chair for my Mother 

(かあさんのいす)

Vera B. Williams

★★☆  絵本難易度 

(^^)/  お薦め

1983年コールデコット・オナー賞受賞


ママは食堂のウェイトレスをしていて、私も時々手伝ってる。私とママとおばあちゃんが大きなビンでコインを貯めているのは、ママのいすを買うため。前に住んでいた家が火事になって、焼けてしまったから。新しいアパートにはみんながいろんなものを持ってきてくれたけど、どうしても欲しいのはママのための素敵なアームチェアー。そして、ついにビンがいっぱいになって、バラ柄のベルベットでできた最高のアームチェアーを買ったのよ。

 

  When we can't get a single other coin into the jar, we are going to take out all the money and go and buy a chair.

  Yes, a chair. A wonderful, beautiful, fat, soft armchair. We will get  one covered in velvet with roses all over it. 

 

毎日疲れて帰ってくるお母さんや、堅い椅子で我慢しているおばあちゃんが座れる素敵なアームチェアーが買いたくて、みんなでコインを貯めていくお話。お父さんは登場しないから、多分シングルマザーのおうちかな? お母さんは食堂のウェイトレスさんだからお給料もそんなに高くないはず。少女も食堂を手伝って、おばあちゃんもお金を節約して協力します。火事で焼け出されてアパートに移った時も、近所の人やおじさんおばさんたちみんながテーブルやいす、ベッドやラグやカーテンやお皿まで持ってきてくれます。一家のことを自分の家族のことのように助けてくれるのです。

 

絵本の中の忙しいお母さんと幼い少女を自分たちの姿に重ね、温かい気持ちで読みました。ほっと心が和みます。でも、ピンクのバラ柄のアームチェアーは、ちょっと我が家には無理かな。

Song and Dance Man

Karen Ackerman

★★☆  絵本難易度

1989年コールデコット賞受賞


昔、ヴォードヴィルのステージで歌や踊りを披露していたおじいちゃん。幼い孫たちが遊びに行くと、屋根裏部屋へ連れていってくれます。ほこりをかぶったトランクから出てきたのは、タップシューズに帽子、ベストに杖。さあ、部屋は舞台に。ショーが始まると、昔に戻ったおじいちゃんは本物のダンサー。

 

He smiles, and whispers that he wouldn't trade a million good old days for the days he spends with us. 

But as he turns off the attic light, Grandpa glances back up the stairs, and we wonder how much he really misses that time on the vaudevill stage, when he was a song and dance man.

 

おじいちゃんは子供たちが大好き。子供たちもおじいちゃんが好き。そんなおじいちゃんがダンスを披露してくれるのが、子供たちはうれしくてたまりません。ショーが終わると、おじいちゃんが孫たちを抱きしめ囁きます。若いころダンサーとして輝いていた時があったけど、それをみんなと過ごすかけがえのない日々と交換することなんてできないよ、と。そして、本当はおじいちゃんがどんなに昔を懐かしく思っているか、子供たちはよく理解しているのです。