英語の洋書と絵本 ANNIE'S BOOKSHELF

 MY BOOKSHELF 11

101-

Lyle, Lyle, Crocodile

Chess Story

Ready Player One

The Fountainhead

The Beekeeper of Aleppo

Ruff vs. Fluff (Queenie and Arthur)

The Hate U Give

Lyle, Lyle, Crocodile:

The Junior Novelization

Bernard Waber

★☆☆  英語難易度

(^^)/  お勧め

歌うワニと少年の友情を描いたミュージカルコメディ


あらすじと感想 

ニューヨークの売れないマジシャン、Hector P. Valenti は、ある日ペットショップで魅惑の歌声を持つ小さなワニ Lyle に出会う。East 88th Street の自宅に連れて帰りコンビを組もうと練習するも、Lyle は極度のあがり症でショーは失敗。Hector は Lyle を残し去っていった。

 

それから18か月。East 88th Street に Primm 家が引っ越してくるが、屋根裏に住む Lyle に出くわしたからさあ大変。しかし、12歳の孤独な息子 Josh は Lile と心を通わせていき、 Lyle は次第に Primm 家の一員となっていく。そんなところへ、突然帰ってきた Hector。すっかり成長した Lyle と今度こそショーを成功させようとするが、Lyle は人前に出るとまたもや歌えなくなってしまった。

 

ある日、階下の住人 Grumps 氏の居間には近隣の住人が集まり、Primm 家の騒音問題について話し合われていた。一家のピンチを Hector が救ったと思った矢先、彼の裏切りで Lyle は警察に捕獲され動物園に送られてしまう。こっそり Lyle を助け出した Josh は、サイドカーで Times Square へ。友人 Trudy の舞台に紛れ込み、Josh のために勇気を出した Lyle は、ついに大勢の観客を前に歌えたのだった。(以上あらすじ)

 

2022年のアメリカ映画 'Lyle, Lyle, Crocodile' の日本語吹き替えで(日本版は Sing for me, Lyle)、大泉洋が Lyle の歌を歌うというニュースを偶然テレビで見た。芸達者な彼の歌もなかなかなものだが、私は巨大なワニのキャラクターに一目ぼれ。早速ググってみると、原作は1962年のアメリカの絵本だ。今回は200ページほどの映画の Novelization を選んでみた。

 

East 88th Street と言えば富裕層の住むアッパーイーストサイド。そこに等身大の歌うワニが住みつくという設定が楽しい。Lyle を受け入れる Primm 夫妻の寛容さも素敵だし、互いに成長していく Lyle と Josh の心温まる友情もいい。Lyle と打ち解けた家族がニューヨークの街に繰り出していったりして、ちょうどゴールデンウィークにプチ旅行したような気分になった。

 

児童書なのでシンプルで簡単に読めるが、単にミュージカル映画のあらすじを追っている感は否めない。やっぱり Lyle の歌あってこその作品だと思うので、読了後はたっぷり YouTube を堪能した。すっかり Lyle のファンになってしまった私。原作の絵本を読んでみたくなった。

 

Chapter 17 より~人目なんか気にするなと諭すHector

  "Safe is such a repellent little word! Expunge it from your mind. We are here to live! And living is a dangerous business.

(略)

  "Nothing could be of less importance than what other people think," Hector declared.

 

Chapter 27 より~Josh から真の友情を得た Lyle はついに歌い出す

  Lyle met his friend's eyes. He didn't see any fear in them. Instead he saw love and trust and courage. Plus-four strength courage, in fact, just like on that collector's card.

  Josh had gifted Lyle that card. And now he was giving Lyle another gift; the gift of true friendship. The kind a crocodile could rely on. The kind that gave him the confidence to believe he could do anything with this boy at his side.

  Finally, Lyle began to sing.

2023.5

Chess Story 

Stefan Zweig

★★☆  英語難易度

チェスのチャンピオンに勝利した男にはナチスに監禁された過去があった。


あらすじと感想 

語りて (I) は、ニューヨークからブエノスアイレス(アルゼンチン)への船上で、チェスのワールドチャンピオン Czentovic が居合わせていることを知り興味を持つ。そのチャンピオンは傲慢で、チェス以外は無能な男だった。その話を聞いた乗客のスコットランド人 McConnor もまた Czentovic に興味を持ち、対戦料を支払うことで二人はチャンピオンとの対戦の機会を得た。1ゲーム目はあっけなく Czentovic に敗北した二人だったが、2ゲーム目に一人の紳士が現れアドバイスを与えると、形勢は転じて勝負は引き分けに持ち込まれた。やがて、3ゲーム目の誘いを拒むその紳士、B博士は、自身の過去を語り始める。

 

・・・ナチスの台頭が始まると、オーストリア人弁護士のB博士はSSに連行されホテルに閉じ込められた。尋問以外は何もすることのないホテルの部屋での監禁生活は、彼を極限状態に陥れていく。ある時、1冊の本を盗み出すことに成功するが、期待に反してそれはチェスの対局を記したものだった。しかし、彼は次第にすべての対局を記憶するまでになり、更には自分自身との対局を始める。いつしか精神に異常をきたした彼は病院に運ばれ、医師の計らいで解放されたのだった。・・・

 

船上で Czentovic から対戦を挑まれたB博士は、1回のみ挑戦を受けることにした。今回はそれまでと変わって真剣にボードに向かう Czentovic と、速攻でコマを進めるB博士。果たて Czentovic は敗北し、B博士は更なる試合を受けてしまう。やがて試合は再びB博士の精神を崩壊し始め、ついには卒倒して初めて我に返るのであった。(以上あらすじ)

 

順調に進んでいた洋書読書は一気に私の老眼も加速させ、しばらく休憩中が続いていた。そこへ、娘の友人が ”フォントサイズが大きい” という点で本書を差し入れしてくれた。チェスの世界チャンピオンの物語と思っていたところ、後半から謎の紳士とナチス迫害のサスペンスに移る。孤立という迫害から正気を保とうと始めたチェスにより、自身の精神を崩壊させてしまった人間の恐怖体験だ。読書好きの若いアメリカ人の彼女は、こんな本を好んで読んでいるのか。

 

著者の Stefan Zweig シュテファン・ツヴァイク (1881-1942) はオーストリア生まれのユダヤ人作家。ナチス迫害を逃れ、ロンドン、ニューヨーク、そしてブラジルに亡命、本書を執筆した後、妻と自殺を図っている。著者について検索し、思いもかけずナチス・ドイツによるオーストリア併合など暗い歴史を振り返ることになった。

 

原書はドイツ語で、翻訳の英語は少々堅苦しい。章で区切られていない100ページ弱の作品で、一気に読んだ。チェスのルールがわからなくて少し残念であった。

 

作中より~語りては言葉巧みに McConnor の気を惹く

Besides, what would tempt a world champion to bother with third-rate players like us?

  Now I should never have made that remark about third-rate players to someone as proud as McConnor. 

(略)

  I was amuse to see how deeply I had wounded McConnor's self-esteem with that single innocent phrase "third-rate player."

2023.1

Ready Player One (ゲームウォーズ)

Ernest Cline

★★☆  英語難易度

(^^)/  お勧め

メタバースの世界を描いた近未来のSFアドベンチャー


あらすじと感想

2041年、世界はエネルギー危機に陥り社会は荒廃、人々はジェームス・ハリデーの築いた仮想現実 "OASIS" に居場所を求めていた。ある日彼の死去のニュースが流れると、"OASIS" 内に隠されたイースターエッグを最初に見つけた者に彼の遺産すべてを譲るという遺言が公表された。世界中のガンター(エッグハンター)達が争奪戦を繰り広げる中、2045年ついにアメリカ、オクラホマ州の高校生 Parzival が最初の鍵となる "Copper Key" を発見する。

 

エッグハントの攻略は生前のハリデーにヒントがあるとされ、彼の生い立ちから好んだ映画やゲームまで徹底的に研究されていた。Parzival のポイントがスコアボードに公示されると、彼に続くようにトップガンター達が現れる。

Parzival : 主人公で本名は Wade。トレーラーハウスを積み上げた貧困街に住む。

Art3mis : 能力の高い若い女性ガンター。(実際は顔にあざのあるカナダの女性)

Aech : OASIS 内で Parzival の親友。(アバターでは男性だが実際は黒人の女性)

Daito & Shoto : 日本人のガンターで OASIS 内では兄弟。

 

一方、Sorrento 率いる巨大組織に所属した Sixers らは、手段を選ばない戦略でトップガンター達に迫ってきていた。はたしてParzival は、"Copper Key" に続く "Jade Key" "Crystal Key" を発見し、イースターエッグを手に入れられるのか。

 

Facebook が昨年の2021年10月、社名を "Meta" に変更。翌月の新聞記事で "メタバース" についての解説に "レディ・プレイヤー1" が取り上げられていたことで、今回の洋書にたどり着いた。OASIS の創設者が1980年代にティーンエイジャーという設定で(ちなみに私は花の20代)、当時の映画やゲームがいろいろ登場する。私はゲーム関係には全く詳しくなくて残念だが、年配者でもゲーム好きには懐かしくてたまらなくなるような小説だ。作中に "マグマ大使" や "ウルトラマン" が登場したり、トップガンター5人中2人が日本人だったりと、日本はこの世界をけん引している存在なんだなと今更ながら感じつつ読んだ。

 

2011年発行の小説をもとに、2018年にスティーブン・スピルバーグにより映画化されている本作であるが、コンピュータの裏側で何がどう動いているのか、原書を読んだからこそ理解できた部分が多かったと思う。また、ゲーム中心のストーリの合間に、微妙に覗かせる登場人物の心の機微に触れ、単なるゲームの世界だと思っていたメタバースのイメージが少し変わった。小説内では、主人公は次第に Art3mis に惹かれていき、戦いに勝利したラストに、実世界で念願の対面を果たす。外見上のコンプレックスに打ち勝ってメタバースから抜け出し、生身の人間として対面できたのであった。そして、Aech の母親が、女性と有色人種こそメタバースの世界が生きやすいと考えるくだりが実に的を得ているのである。

 

0033より~Aech は母親の勧めで白人男性のアバターになった黒人の女性だった

In Marie's opinion, the OASIS was the best thing that had ever happened to both women and people of color. From the very start, Marie had used a white male avatar to conduct all of her online business, because of the marked difference  it made in how she was treated and the opportunities she was given.

  When Aech first logged into the OASIS, she followed her mother's advice and created a Caucasian male avatar.

 

0039より~Parzival はずっと好きだった Art3mis と対面する

She looked just as she had in the photo I'd seen. She had the same Rubenesque body. The same pale, freckled skin. The same hazel eyes and raven hair. The same beautiful round face, with the same reddish birthmark. (略)

 "You look just like I always pictured you," I said. "Beautiful."

 

いよいよ、単なるゲーム分野だけでなく、仕事や教育までほとんどすべての生活がメタバースで可能になる日が本当にやって来るらしい。もしかしたら、メタバースもまんざら悪くないかもしれない。2次元の画面上の当サイトも時代遅れになっていくだろうから、メタバース内に "ANNIE'S ROOM" なるチャットルームを立ち上げ、bookshelf をメインにしたお洒落なインテリアでお友達のアバターを招待したいな、などとイメージを膨らませてみた。(^^)/ 

 

しかし問題は、新聞記事が提起しているように、膨大なデータが "Meta" という一企業に流れ込むこと。マーク・ザッカーバーグのもくろむ構想は、これから世界をどのように変えていくのだろうか。

2022.3

追記

メタバース版 ANNIE'S BOOKSHELF 構築のチャンスは意外に早くやってきた。久々に帰省した娘にアドバイスをもらい、Annie's Gallery と Annie's Mountain Lounge が完成。メタバース元年である2022年に合わせ、トップページにリンクを貼って、当ホームページもバージョンアップしました!

2022.12

The Fountainhead (水源)

Ayn Rand

★★★  英語難易度

(^^)/  お勧め

個人主義的な若き建築家の生きざまを描いたアメリカのベストセラー


あらすじと感想

1922年、ハワード・ロークは伝統建築を重んじる教授らに従わず、マサチューセッツ州スタントン工科大学の建築学部を退学になる。一方、彼の下宿先の息子ピーター・キーティングは成績優秀で卒業し、ニューヨークの名建築事務所フランコン&ハイアーに就職した。ロークはニューヨークに行き、尊敬する建築家キャメロンの下で働き始めたが、現代建築を目指す二人は世間に認められない。キャメロンの引退後、ロークは何とか自分の事務所開設までこぎつけたものの、クライアントはなかなか見つからずにいた。一方、実力はないが社内政治に長けたキーティングは、経営者のガイ・フランコンのお気に入りとなり、彼の娘で ”ニューヨーク・バナー” 紙のコラミスト、ドミニクも紹介される。そして、建築のコンテストをロークの手を借りて優勝し、共同経営者のハイアーの後釜に座るまでに出世する。(以上1部: Perter Keating)

 

フランコンの経営する花崗岩採石場で働くこととなったロークは、そこでドミニクに出会う。二人はお互いに魅了されると、ロークはドミニクをレイプして去るが、後にニューヨークで再会する。

社会主義者のエルスワース・トゥーイーは、”ニューヨーク・バナー” 紙の建築コラミストで、その執筆によって世論を操作し権力をつけようとしていた。彼は、神殿建設の依頼者を操り、ロークに設計させた。そして、ドミニクの裸像を置いた現代的な建築物が完成すると、神殿として相応しくないと非難し告訴させる。ドミニクは、裁判でキーティングら建築家の証言に反してロークを弁護するが、ロークは敗訴。裁判の結果に幻滅したドミニクは愛するロークの下を去り、キーティングに結婚を申し込む。キーティングは、トゥーイーの姪で婚約者のキャサリンを捨て、ドミニクと結婚する。(以上2部: Ellsworth M. Toohey)

 

ゲイル・ワイナンドはニューヨークの貧民街 Hell's Kitchen で育ったが、努力と才覚により ”ニューヨーク・バナー” 紙を含む巨大なワイナンド・エンタープライズを築き上げた。ドミニクはキーティングとの冷めた結婚生活を続けていたが、夫の建築案件を勝ち取るためトゥーイーの手引きでワイナンドに近づく。ワイナンドはドミニクの魅力に惹かれ、案件と引き換えに彼女との結婚を求める。ドミニクは条件を受け入れキーティングと離婚しワイナンドと再婚する。彼女は密かにオハイオの建築現場でロークと再会したが、ニューヨークに戻ると盛大な結婚式を挙げた。(以上3部: Gail Wynand)

 

ワイナンドは新居建築にあたりロークと知り合い、貧しい生い立ち同士の二人は友人となるが、彼はロークとドミニクの関係を知らずにいた。離婚してすっかり落ちぶれたキーティングは、トゥーイーの口利きで何とかコートランド集合住宅の案件を手に入れるが、又もロークの手を借りて設計する。しかし、ロークがワイナンドとのヨットの旅から戻ると、契約を違反し住宅は設計通りに造られていなかった。ロークはドミニクを計画に巻き込んで、その住宅を爆破する。ワイナンドは "ニューヨーク・バナー" でロークを擁護するが、発行部数は落ちストライキが起きてしまう。ロークを守るか新聞を守るかで悩んだワイナンドは、新聞を取ったのだった。裁判が始まるとロークは建築に対する大演説を行い、彼の信念は陪審員らに通じ無罪を勝ち取った。その後、ワイナンドはニューヨーク・バナーをトゥーイーに乗っ取られかかるが、新聞の発行を閉じて切り抜ける。ドミニクと結婚したロークは、Hell's Kitchen にワイナンドと約束した高層ビルを建築する。(以上4部: Howard Roark)

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娘の友人のアメリカ人が突然贈り物をくれた。Amazon の箱を開けると中には細かい字が詰まった分厚い本が1冊とメモ;Enjoy! (otherwise it's a good paperweight)。私が洋書好きと知って送ってくれたようだ。検索すると、1943年女性思想家アイン・ランドにより出版されたアメリカのベストセラー、と出た。私に読めるだろうか・・・。しかしそんな当初の不安は無用だった。以前訪れたボストンの街並みやニューヨークの喧騒を思い浮かべながら物語に引き込まれた。

 

1部: Perter Keating - 1 より

ロークは学部長に答える。木造建築のための装飾をなぜ鉄筋やコンクリートで複製する必要があるのか。

  "Look," said Roark. "the famous flutings (柱の装飾的な縦溝) on the famous columns -- what are they there for?  To hide the joints in wood -- when columns were made of wood, only these aren't, they're marble. The triglyphs, what are they? Wood. Wooden beams (はり), the way they had to be laid when people began to build wooden shacks. Your Greeks took marble and they made copies of their wooden structures out of it, because others had done it that way. Then your masters of the Renaissance came along and made copies in plaster of copies in marble of copies in wood. Now here we are, making copies in steel and concrete of copies in plaster of copies in marble of copies in wood."

 

主人公の建築家ハワード・ロークには、現代建築のフランク・ロイド・ライトという実在のモデルがいるとのこと。建築といえば、私の母親は建築士。ライトのことは建築史で学んで知っているという。帝国ホテルや作品中にも登場する "落水荘" を建築した人物として有名だそうだ。スタントン工科大は MIT がモデルである。

 

1部: Perter Keating - 1 より

自分を必要とする顧客の方から自分のところにやって来ると学部長に答えるローク。  

  "Do you mean to tell me that you're thinking seriously of building that way, when and if you are an architect?"

  "Yes."

  "My dear fellow, who will let you?"

  "that's not the point. The point is, who will stop me?"

    (略)

  "(略) I don't intend to build in order to serve or help anyone. I don't intend to build in order to have clients. I intend to have clients in order to build."

  "How do you propose to force your ideas on them?"

  " I don't propose to force or be forced. Those who want me will com to me."

 

物語は、異なるタイプの4人の人物名をサブタイトルにした4部構成。1部のピーター・キーティングは、友人のロークに相反し、処術長けたタイプとして描かれる。悪い人間ではないが、華々しかった人生は徐々に暗転していく。2部のエルスワース・トゥーイーは、ひたすらむかつく人物。もっともらしい理屈を並べて社会主義を説き、自分の権力掌握のためだけに動く。実際、延々と続くわけのわからない彼の英語を追っていくのに四苦八苦した。(日本語訳を読んでもわけがわからないし、作中の登場人物もわかっていないようなのでよしとする。)3部のゲイル・ワイナンドは貧民街出身の新聞王。権力(プラス女)を希求し、ある意味わかりやすい。4部のハワード・ロークが、他人には興味のない天才肌の主人公となる。

 

1部: Perter Keating - 2 より

画家になりたかったキーティングを、いつの間にか建築家の道に押し込んだのは母親だ。

It was his mother who had chosen a better field in which to exercise his talent for drawing. "Architecture," she had said," is such a respectable profession. Besides, you meet the best people in it." She had pushed him into his career, he had never known when or how. It's funny, thought Keating, he had not remembered that youthful ambition of his for years. It's funny that it should hurt him now -- to remember. Well, this was the night to remember it -- and to forget it forever.

 

本小説のヒロインが、美貌と強烈な個性を持ち合わせたドミニク。強烈すぎて彼女の言動を理解するのが大変だった。単なる甘やかされたお嬢様なのか・・・? 最初のクライマックスが、愛するロークが裁判で負けた後、好きでもないキーティングと結婚するシーンだ。彼女は、裁判でロークを弁護したにも関わらず、彼の無罪が認めれないような世間に絶望し苦しむ。そして、そんな世の中に苦悩してしまう弱い自分に試練を与えるため、幸せになることを拒否し、嫌いな男と結婚する。・・・たぶんこんな感じか。(英文と見つけた日本語訳を何度も読み、それでも意味が分からず苦労した。)そして、ロークはドミニクの告白を受け入れ待つと言う。自立心の強いもの同士、お互いがすぐ理解できるのだろうか。後に、ドミニクは同じ理由でワイナンドと再婚する。

 

2部: Ellsworth M. Toohey - 14 より

ロークのもとを去り、キーティングと結婚するドミニク。

  "I love you, Roark." (略)

  "(略) I'll give you my marriage to Peter Keating. I'll refuse to permit myself happiness in their world. I'll take suffering. That will be my answer to them, and my gift to you. (略) "

   (略)

  "You must learn not to be afraid of the world. (略) You'll win, because you've chosen the hardest way of fighting for your freedom from the world. I'll wait for you. I love you, Dominique."

 

3部: Gail Wynand -1 より

従業員らは強権を振りかざすワイナンドを恐れていた

He could appear at any moment in any part of the building -- and his presence was as unobtrusive as an electric shock. The employees tried to obey the rule as best they could; but they preferred three hours of overtime to ten minutes of working under his silent observation.

  (略)

ワイナンド少年は、金持ちと貧乏人の違いは本を読むかどうかだということに気づいた。

He wanted to know what made these people different from those in his neighborhood. It was not the clothes, the carriages or the banks that caught his notice; it was the books. People in his neighborhood had clothes, horse wagons and money; degrees were inessential; but they did not read books. He decided to learn what was read by the people on Fifth Avenue.

 

3部: Gail Wynand - 3 より

自分の夫キーティングを見下し面白がっているドミニクに興味を持つワイナンド

  "You love your husband very much?"

  "I despise him."

  "You have a great faith in his artistic genius?"

  "I think he's a third-rate architect."

  "Then why are you doing this?"

  "It amuses me."

  "I thought I was the only one who acted on such motives."

 

4部: Howard Roark - 3 より

ワイナンドと異なりロークは他人を支配したいとは思わない。無能が嫌なのだと。

  "You came from a poor family."

 (略)

  "No. I hate incompetence. I think it's probably the only thing I do hate. But it didn't make me want to rule people."

 

4部: Howard Roark - 7 より

契約を懇願するためトゥーイーを訪ねるキーティングは、トゥーイーの足首に目が留まる

  He choked on a gulp and kept still. He found himself staring at Toohey's bare ankle. (略) It made him think of chicken bones left on a plate after dinner, dried out; if one touches them, it takes no effort at all, they just snap.

 

4部: Howard Roark - 12 より

自分が手伝ってきたがためキーティングを破滅させてしまったことを後悔するローク。

  "It's I who've destroyed you, Peter. From the beginning. By helping you. There are matters in which one must not ask for help nor give it. I shouldn't have done your projects at Stanton. I shouldn't have done the Cosmo-Slotnick Building. Nor Cortlandt. I loaded you with more than you could carry. (略)"

 

クライマックスは最後の法廷シーン。延々と8ページにわたるロークの大演説は著者アイン・ランドの信念で、個人主義者の理想像ロークが、彼女のいうところの "second-hander"、利他主義、集産主義に勝利する瞬間だ。権力を追い求め他人を支配するという点で、キーティング、トゥーイー、ワイナンドは皆、"second-hander" の類である。英語力以上に読解力を試された部分だった。

 

4部: Howard Roark - 18 より

なぜ集合住宅を爆破しなければならなかったか、法廷でロークは彼の信念を説く。

  "Thousands of years ago, the first man discovered how to make fire. (略)

  "Every great new thought was opposed. Every great new invention was denounced. (略)

(略) he can survive in only one of two ways---by the independent work of his own mind or as a parasite fed by the minds of others. The creator originates. The parasite borrows. The creator faces nature alone. The parasite faces nature through an intermediary. 

  "The creator's concern is the conquest of nature. The parasite's concern is the conquest of men. (略)

  "The choice is independence or dependence. The code of the creator or the code of the second-hander. (略)

  "From the beginning of history , the two antagonists have stood face to face: the creator and the second-hander. When the first creator invented the wheel, the first second-hander responded. He invented altruism (利他主義). (略) The contest has another name: the individual (個人) against the collective (集産) (略).

  "I destroyed it because I did not choose to let it exist. The form was mutilated by two second-handers (略).

 

普段は Yes と No だけのぶっきらぼうな返事を返しているが、本当に言いたいことは堰を切ったように話し出すローク。去年読んだ ”The Facebook Effect" のザッカーバーグもそんなスタイルだった。映画版を覗くとローク役のゲイリー・クーバーがめちゃくちゃかっこいいのでつい憧れてしまうが、コミュニケーションとチームワークが何より大事な日本で、実際彼の極端な個人主義を貫くのは容易ではないだろう。ドミニクに至っては、そのあまりに奇異な思考を理解することすら困難だった。ネットを検索していたら、河野太郎議員が留学時代に本書を原書で読んで、影響を受けたという記事があった。それから、林修先生が ”人がお金を稼ぐ方法は、自分が動く、他人を動かす、金を動かすの3つ” と言っていたことを思い出した。林先生は、"自分が動く" を選んだという。なるほど、やはり大物は共通点があるのだな。

 

長かった。700ページ超という長さは、読んだ洋書の中では最長だった "Of Human bondage" を超え、翻訳で読んだ "風と共に去りぬ" や "カラマーゾフの兄弟" などに並ぶ大作だ。が、読めた。途中飽きることはなかった。エンタメ小説と恋愛小説と思想小説をすべてミックスさせたような読み応え。時に難解だったが、堅苦しさのない風刺の効いたページターナー。高尚な英語にめげず、完読するまで1か月半、100年前のニューヨーク・マンハッタンへタイムスリプした。個人を崇拝する、実にアメリカ的な作品だと思った。そのアメリカらしさを十二分に堪能した。

 

さて、本書を読んで、我が家に対する考えが少し変わった。20年前の平成に、建築士の母は敢えて昭和のような家を設計した。新築時から中古住宅のようだった。コストを抑えつつ、気候やメンテナンス面を考慮したなんちゃって和風のような内装だ。なんと、余計な装飾を省き素材の性質に合った設計を目指すロークの建築と同じではないか。私は我が家が気に入っているのだが、最近の流行と異なることへの疑問もあった。今回、その疑問は見事に払しょくされた。この家で良かったのだと。

2021.11

The Beekeeper of Aleppo

Christy Lefteri

★★☆  英語難易度

(^^)/  お勧め

内戦の続く故郷シリアを捨て、難民夫婦がイギリスを目指す旅


あらすじと感想 

内戦下のシリアの都市アレッポ。養蜂家のヌリは爆撃により一人息子のサミを失い、芸術家の妻アフラは失明する。ヌリを同じ養蜂家の道へ導いてくれた年上の従兄ムスタファは、イギリスの知人を頼りに先に妻と娘を非難させ、残った息子が死亡すると自身もイギリスを目指した。イギリスのヨークシャーにたどり着いたムスタファは養蜂家として再起を図り、遅れて非難を始めたヌリ夫婦をメールで励まし続ける。

 

アレッポを出たヌリとアフラは、密航業者の手引きによりトルコ国境の川を越えイスタンブールへ到達した。そこで息子サミと同じ7~8歳くらいの孤児モハメッドに出会い、一緒に連れて行こうと決める。夫婦は怯えるモハメッドを連れてゴムボートに乗り込み、トルコからギリシャの島へと夜の海を渡った。ところが、3人家族として申請を終えたばかりのレロス島のキャンプで、モハメッドが行方不明になってしまう。やむなく夫婦は二人だけでアテネに移動するが、人で溢れた公園の難民キャンプで先の見えない生活を余儀なくされた。業を煮やしたヌリは密航業者に大金を払い、偽のパスポートでイギリスへ渡航する道を選ぶ。そして、到達したイギリス南岸の施設で、難民申請の許可を待っている二人のところに、ついにムスタファが迎えに来て再会を果たす。(以上あらすじ)

 

今回は、朝日新聞の "GLOBE" で、英国のベストセラーとして紹介されていた本書に興味を持ち読んでみた。シリア内戦は、アラブの春を契機として2011年から現在までも続く、アサド大統領独裁政権に対する民主化運動である。

 

美しいブルーの表紙をめくると、到達したイギリスの施設のシーンから物語が始まる。やがて、突然中途半端に文章が途切れ戸惑っていると、共有ワードを通してすうっと過去にさかのぼる。その回想は、まだ平和だったころの美しいアレッポでの思い出であったり、また、過酷な旅の記憶であったり。そして、ヌリの不安定な心を表すように、揺れるように現在と過去を何度も行き来して物語が展開する。

 

巻末の紹介によると、著者はロンドンで育ちクリエイティブ・ライティングのPh.Dを持つ女性で、両親はキプロスからの難民だという。本書は、アテネにおける自身のユニセフ難民ボランティアとしての経験をもとに書かれたそうだ。各地の難民施設ではシリア人の他、アフガニスタン人、モロッコ人、アフリカ人等雑多な人々が集まり、アラビア語、ペルシャ語、英語などが飛び交う。言葉も文化も異なりそれぞれの事情を抱えながら、同じ難民という立場で交友が生まれていく様が興味深い。そして、ヌリとアフラの夫婦愛や、養蜂に未来をかける兄弟のようなヌリとムスタファの絆が希望となり、過酷な現実をオブラートのように包んで、詩的で美しい作品になっていると感じた。

 

ヌリとアフラの辿った旅は、シリア(Alleppo → Armanaz)→ トルコ( Istanbul)→ ギリシャ( Farmakonisi (島)→ Leros (島)→ Athens )→ イギリス。一方、ムスタファは、シリア→トルコ→ギリシャ→マケドニア→ブルガリア→セルビア→オーストリア→ドイツ→フランス→イギリスと別ルートだ。ムスタファからのメールで2015年から2016年にかけての旅だとわかる。いずれも中東や東欧など普段あまり馴染みのない地域を、パソコン上の地図を覗きながらルートを辿った。本書はフィクションではあるが、主人公のヌリは幸運にも資金があり、英語を話すことができ、待っている従兄の存在があったからからこそはるかイギリスまで渡れた恵まれたケースのようである。

 

Chapter 5より~家業を継がず養蜂家になると告げて、父を失望させてしまったヌリ

I remember the look on his face when I told him I didn't want to take over the family business, that I wasn't interested in selling fabric. I wanted to be a beekeeper with Mustafa, I wanted to work outdoors in nature, I wanted to feel the land beneath my feet and the sun on my face, to hear the song of the bees.

 

Chapter 8より~ヌリが英語が話せるのは、父親に言われて学んだからだ

(略) so even when the shop was quiet I would be sitting there with an English grammar book on my lap because, according to my father, that was the way forward.

 

Chapter 9より~英国のミツバチに希望を見出したムスタファはヌリをメールで励ます

And Nuri, in this country there are rapeseed fields and barks of heather and lavender! Because it rains so much it is full of flowers. And so much green. More than you could ever imagine. Where there are bees there are flowers, and where there are flowers there is new life and hopes.

 

イスタンブールで出会った孤児のモハメッドがレロス島で突然行方不明になり、彼を残して旅立たなければならなかったことは、ヌリにとっての最大の悲劇だ。もちろん我々読み手も気がかりになる。やがて、悲しむヌリのもとへ、時折モハメッドが現れては消え、消えては現れるようになり、その苦悩は彼の精神をも苦しめるようになる。一人息子を失い失明したアフラを献身的に支え続けるヌリもまた、ぎりぎりの精神状態で過酷な運命に対峙していたのであった。モハメッドの謎は終盤になって解き明かされる。

 

Chapter 13より~アフラはヌリにモハメッドなんて知らないと言う

"Why do you have Mohammed's marble?" I say.

"Mohammed's?" she says.

"Yes, The little boy we met in Istanbul." (略)

"This marble was Sami's," she says. 

"Sami's?" I say.

"Yes." 

"But Mohammed was playin with it." (略)

"I don't know who Mohammed is," (略)

 

過去に読んだ洋書の中で、紛争地域を舞台とした "I Am Malala"(パキスタン)、 "The Kite Runner"(アフガニスタン)、 "The Last Girl"(イラク)などはいずれも強烈に記憶に残っている。(以上 MY BOOKSHELF 8今回の作品も、平和な日本では無関心でやり過ごしてしまいがちな中東世界の難民問題について学ぶきっかけになった。英語は読みやすく、難解な単語もあまりない。巻末の紹介で、著者の美しい顔立ちとグレーの瞳がアフラに重なって見えた。

 

2021.6

シリア(朝日学生新聞より)

Ruff vs. Fluff (Queenie and Arthur)

Spencer Quinn

★☆☆  英語難易度

猫の Queenie と犬の Arthur による児童版ミステリー


あらすじと感想  

猫の Queenie と犬の Arthur は、Mom と双子の姉弟 (Harmony と Bro) と暮らしている。一家は Blackberry Hill Inn を経営していて、クリスマスも近いある日、一人の宿泊客が訪れた。宿に戻らぬその男を心配して Harmony は Arthur を連れて探しに出ると、彼は山中で殺されていた。なぜか事件とは全く関係ないと思われる姉弟のいとこが容疑者として逮捕されてしまうが、果たして真相は・・・。

 

すっかり Spencer Quinn のファンになった私は、Chet and Bernie、Bowser and Birdie シリーズ (MY BOOKSHELF 10) に続いて Queenie and Arthur シリーズを見つけて今回挑戦。前2シリーズはそれぞれアメリカの砂漠と南部湿地帯が舞台だったが、今回は北東部の雪国。しかも、初の猫も登場し、猫の Queenie と犬の Arthur が交互にストーリーのナレーターを担当する。Queenie はいかにも猫らしくクール、一方 Arthur は前シリーズのそれなりに賢かった犬たちと違って愛嬌だけが取り柄。

 

Chapter 2より~Arthur: ソーセージが好きすぎて、"死んだふり"の芸を披露。

  On my mind? No, nothing, not a thing. Well, except for sausages. I wanted one desperately! Or more than one! All of them! Please! Now! I rolled over and played dead, my only trick.

 

Chapter 8より~Arthur: 地図を見つけて大喜び!

I started to get pretty excited! Me, Arthur! What a good good boy! I could almost hear Harmony saying that.

 

Chapter 23より~Arthur: 探していた財布が見つかった!ご褒美にはケバブ!

And, I Arthur, had found it! I, Arthur: the hero of the story! (略) Very soon I'd be hearing, Good boy, Arthur, and What a clever dog! and Maybe he deserves a kebab. Or two.

 

対象年齢は8-12歳でミステリーも難しすぎず、猫らしい Queenie と犬らしい Arthur の視点がおかしくて楽しく読める。私にはこのくらいのレベルが丁度いいのかも。すっかり Arthur が好きになってしまった私は、猫より犬派かな。

2021.1

The Hate U Give

ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ

Angie Thomas

★★☆  英語難易度

黒人差別問題に立ち向かう女子高生を描いたヤングアダルト小説


あらすじと感想 

黒人の女子高生スターは、ギャングが徘徊しドラッグが蔓延する黒人街ゲットーのガーデンハイツで生まれ育った。スターと弟セカ二、母親の違う兄セブンは白人の子が通う私立校ウィリアムソンに通っていて、服役歴がある父親は商店を営み母親は看護師をして家計を支えている。スターには学校のバスケ仲間ヘイリーやマヤ、白人のボーイフレンドクリスもいるが、ガーデンハイツの自分と学校での自分をいつも演じ分けながら生きてきた。

 

ある夜、スターは地元のパーティで幼馴染のカリルに久しぶりに出合う。発砲騒ぎから逃れカリルの車で帰宅途中、二人は警官に車を止められ職務質問を受けるが、白人警官は無抵抗のカリルを射殺する。その後事件はマスコミに取り上げられるが、カリルはドラッグディーラーの悪人として報道され、発砲した白人警官は擁護された。現場に居合わせたスターは事件との関与が学校の友人に知れることを恐れるが、唯一の証人としてカリルのために立ち上がることを決意していく。

 

本書は2017年発行のヤングアダルト小説で、著者はアメリカミシシッピ州に生まれ育った元ラッパーの黒人女性だ。2020年は、ミネソタ州での白人警官による黒人死亡事件を機に、BLM (Black Lives Matter) 運動が世界中に広がった。トランプ vs バイデンのアメリカ大統領選挙にも影響を与えた問題として記憶に新しい。

 

タイトル The Hate U Give の頭文字をとると THUG (ちんぴら 等の意味)となる。 "2Pac" (アメリカの有名なラッパー) の音楽がかかった車中で、スターはカリルから Thug Life の意味について聞かされる。本のタイトルは "2Pac" が使っていた、The Hate U Give Little Infants Fucks Everybody. (子供に与えた憎しみがすべてを蝕んでいく) から来ている。(Thug Life は、やりたいように生きるというようなスラングとしても使われる)

 

Chapter 1より~カリルが Thug Life についてうんちくを傾ける。

"'Pac said Thug Life stood for The Hate U Give Little Infants Fucks Everybody."

(略) "T-H-U-G L-I-F-E. Meaning what society give us as youth, it bites them in the ass when we wild out. Get it?"

 

Chapter 2より~スターは両親から警官との対処の仕方を教えられる。

When I was twelve, my parents had two talks with me.

(略) 

The other talk was about what to do if a cop stopped me. (略)

  "Starr-Starr, you do whatever they tell you to do," he said. "Keep your hands visible. Don't make any sudden moves. Only speak when thy speak to you."

 

Chapter 5より~学校ではウィリアムソン・スターに切り替わる。

That means flipping the switch in my brain so I'm Williamson Starr. Williamson Starr doesn't use slang--if a rapper would say it, she doesn't say it, even if her white friends do. Slang makes them cool. Slang makes her "hood."

 

ヤングアダルト小説は海外文化に精通していないと意外と読みにくく、会話文は黒人の乱れた英語表現が多い。時々ネット検索しながら400ページ超、スターの日常を通して現代の黒人社会の実情に触れた。日本語版は2019年の読書感想文課題図書(高校)にも選ばれていて、日本では他人ごとになりがちなBLMの理解を深めることができる。

2020.12